Bluetoothオーディオの仕様を簡単に整理

Bluetoothのオーディオというと。

まあ、何かわからないけど、Bluetooth対応ならつながるのでしょ?

プロファイル?コーデック?複雑すぎてよくわかりません!という感じです。

しかしながら。

「ヘッドホン・イヤホンに限定した、音楽向けの仕様」という切り口で見ると。ある程度整理できるかと思います。


A2DPに限定してコーデックを整理

2017年現在。音楽を聴く目的でBluetooth機器を選択すると、多くの機器がプロファイルとしてA2DPを採用し、次の何れかのコーデックを使用しているのではないでしょうか。

各コーデックの仕様ページを抜粋し、特徴をまとめてみました。

No.コーデック仕様音質・遅延特徴
1SBC最大48kHz
モノラル198kbps
ステレオ345kbps
音質の劣化あり。
遅延あり。
標準的なコーデックとなります。
2AAC最大96kHz
最大48チャネル
SBCより良好。
遅延あり。
Apple製品対応。
製品により音質様々。
3aptX48kHz/16bit
LPCM
ほぼCD音質。
劣化なし。
遅延130ms未満。
「CD音質」
の一言です。
4aptX HD48kHz/24bit
LPCM
CD音質以上。
劣化なし。
遅延あり。
ハイレゾ対応。
CDよりも
量子化ビット数多。
5aptX Low Latency48kHz/16bit
LPCM
ほぼCD音質。
劣化なし。
遅延40ms未満。
「CD音質」で
遅延少。
動画とゲーム向け。
6LDAC96kHz/24bit
330,660,990kbps
CD音質以上。
劣化なし。
遅延あり。
高音質のハイレゾ対応。
SONY製品対応。
3種類の伝送量。

音質と遅延有無で図にすると

こういうかたちになります。

AACの音質評価が難しい感じですが・・・。

SBCは345kbps

SBC対応機器は、モノラル198kbps、ステレオ345kbpsの伝送量の縛りがあります。

伝送量に合わせるためにデータが削られて、音質が劣化します。

遅延(音の遅れ)も発生します。

具体的な処理は、Sub-band codecの名前の通り、音声を周波数変換→4または8個のブロックに分割(サブバンド)→ブロックごとに量子化ビット数を減らしてデータを削る、という処理が行われます。

劣化の意味は、ワイヤード(有線)で聴くものと比べると、音が変わっている、ということです。


AACの音質は各種モードによる?

AAC対応機器は、SBCと比較して高音質に対応できるようです。

AAC自体は非可逆(lossy、劣化する)音声圧縮フォーマットとして開発されましたが、可逆(lossless、劣化しない)モードにも対応しています。

音質は、実際に音声を伝送する時の設定~サンプリングレート、量子化ビット数、圧縮モード(劣化あり/なし)、可変/固定ビットレート(伝送量)等、どのモードを使っているかで変わると思います。

対応機器が少なく、具体的にどのモードを採用しているかも不明で(カタログ等に記載されていない場合が多い)評価が難しい感じです・・・。

iTunesでは、lossless(劣化なし)の場合は「Apple Lossless」と呼ばれています。AACはlossy(劣化あり)の扱いです。一方、Advanced Audio Codingの資料を拝見すると「MPEG-4 Scalable To Lossless (SLS)」として2006年にAACでlosslessを扱うオプションが追加されていますが、実際に製品で使用されているかどうか不明です。音質は良好ですが、基本的にAACはlossy(劣化あり)という認識です。


aptXはCD音質(断言)

aptXの仕様を拝見すると、大変わかりやすいです。48kHz/16bit/LPCM(劣化しない)と明記されていますので、CD音質(44.1kHz/16bit/LPCM)とほぼ同じです。

音楽を聴くなら、最低でもこのレベルの音質が欲しいですね。


aptX HDはハイレゾ対応

CD音質以上が「ハイレゾ」と定義されています。

aptX HDの仕様を拝見すると。48kHz/24bitということで、ハイレゾ対応です。LPCMですので、もちろん劣化はありません。

周波数特性はCDと同じ(きめ細やかさ)ですが、よりなめらかな音圧を表現できる感じでしょうか。


aptX Low LatencyはCD音質で低遅延

aptX Low Latencyの仕様は、基本的にaptXと同じですが、遅延が40msec未満になるよう定義されています。

動画やゲーム向けということですが、遅延が少ない上に、高音質(劣化がなく、CDと同程度の特性)が保証されています。

SBCのような周波数変換が必要なコーデックは、バッファリング(データの溜め時間)が必要なため、どうしても遅延します。aptX LLは、たとえばバッファリングを短くするようなアプローチで、ハードウェア的に高速に圧縮している感じです。aptXのブログに説明が記載されています。


LDACはさらに高い解像度に対応

aptX HDのサンプリング周波数が48kHzなのに対して、LDACは96kHzに対応しています。さらに上位のハイレゾということになります。990kbpsの伝送量に対応しているということで、なるほど高音質もうなずけます。

ワイヤレス環境で、じっくり音楽を聴くのに向いている感じでしょうか。


目的別に分類すると

こう比較してみますと。目的別では、次のコーデックが向いている感じがします。

  • ハイレゾの音楽鑑賞は、aptX HDまたはLDAC。
  • CD音質で十分なら、aptX、aptX Low Latency、AACなど。
  • 動画鑑賞・ゲーム向けはaptX Low Latency一択。
  • 通話はどれでも大丈夫。

あくまでも個人の評価であり、実際の音質は、仕様以外の他の要因、機器の設計や使用環境、どのような音楽を聴くか等によって異なります。

仕様上は対応していても部品が対応していない場合があったり(周波数特性など)、逆に音作りの処理が良く、仕様よりも良い音が聴こえる場合もあります。

仕様はあくまでもご参考に。

気持ちよく音楽や動画、ゲームを楽しめるように。

お好みのサウンドに合った、お好みの機器を選択されると宜しいかと思います。


aptX Low Latency、LDAC対応機器をお探しでしたら、宜しければこちらをご参照下さい。

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コメント

  1. none-none より:

    いまどきはSBCでも遅延しない組み合わせ多いし、SBCでもビットレートが高いと聴覚的・現実的にはapt-x等と区別が付かないものもあるので、「SBCは低音質・通話向け」という考察は誤解を招くかもしれませんね。

    まあ、高級オーディオ装置を使ってない多くの普通の人々はmp3/320kの音源とハイレゾ音源の区別が付かない人も多いと思うので結局は主観になるとは思いますが・・・

    • hide より:

      none-noneさん
      はじめまして。コメント頂きまして誠にありがとうございます。

      ご指摘から、記事を修正させて頂き「SBCは345kbps」と改めさせて頂きました。

      ビットレートは他のコーデックと比較して確かに低いですが、ローパスフィルタ・バンドパスフィルタのような処理は行っておりませんし、SBC対応のヘッドホンやスピーカーも十分に音質がよく愛用させて頂いております。

      もしお気に触る点が御座いましたら、再度ご指摘頂ければと思います。m(_ _)m

  2. ガジェット好き より:

    https://www.aptx.com/ja/aptx に書かれてる「48kHz / 16bit LPCM オーディオデータに対応」というのは出力ではなく入力ソースの話ではないでしょうか。
    CD以外のソースでよくある48kHzに対応してるので44.1kHzへのダウンサンプリングを回避できる、といったことではないかと思います。

    https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1033162.html によれば
    対応周波数(48or44.1)*量子化ビット数(16)*ステレオ2chの1/4の固定ビットレートになるようです。