openmediavault 4をインストールしてみました。USB接続のHDDを取り付けてNASとして使用できます。
ファイルの転送速度は110MB/s程度で安定しています。以前作成したRock64のNAS以上の性能が得られそうです。
Rock64の場合はopenmediavault専用のOSイメージを使用させて頂きました。今回も、専用OSイメージの別のダウンロードサイトを紹介させて頂きつつ、汎用的なArmbianのOSイメージを使用したopenmediavaultのインストール方法も記録したいと思います。
なお、Armbianへのインストール方法は、Debian Stretchへインストールする手順と同じになります。他のシングルボードコンピュータや通常のx64/x86系PCも同じ手順になるかと思います。
目次
Armbian Stretchのopenmediavault 4インストール手順
専用OSイメージを使用する場合(Armbianベース)
※18.10.11追記:openmediavault 4専用のOSイメージを使用する場合、こちらが便利なようです。Rock64を含んだ多数のシングルボードコンピュータ用のイメージが公開されています。
こちらを使用する場合、手順2番、EtcherでmicroSDカードに書き込んで頂き、起動後、手順12番の「openmediavault 4初期設定」以降が初期設定手順になります。
Armbian Stretchインストール
openmediavaultはDebian Stretchへインストール可能のようです。シングルボードコンピュータへインストールする場合、ArmbianのStretch版を選択するとスムーズにインストールできそうです。
- Armbian StretchのmicroSDカードイメージをダウンロードします。
- ダウンロードしたイメージをmicroSDカードに書き込みます。Etcherを使用させて頂きました。
- microSDカードとLANケーブルを接続、NanoPi M4を起動します。
Armbian Stretch初期設定
- Armbianの初期ログインアカウントはroot/1234のようです。ログインすると新しいパスワードの入力を求められます。
- 続いて普段使用するユーザのユーザ名とパスワードを求められます。ここで作成するユーザは、あとでopenmediavaultで使用することができます。
- rootでログインできたところで、アップデート/アップグレードを実施しておきます。
apt update apt list --upgradable apt upgrade
openmediavaultインストール
Debian Stretchへopenmediavaultをインストールする手順は、基本的にこちらの公式ドキュメントに沿うかたちです。
- /etc/apt/sources.list.d/openmediavault.listファイルを作成します。
vi /etc/apt/sources.list.d/openmediavault.list
内容は以下になります。
deb http://packages.openmediavault.org/public arrakis main
- 環境変数を3行定義後、updateを行います。
export LANG=C export DEBIAN_FRONTEND=noninteractive export APT_LISTCHANGES_FRONTEND=none apt-get update
- keyringをインストールして、再度updateを行います。
apt-get --allow-unauthenticated install openmediavault-keyring apt-get update
- openmediavault本体をインストールします。
apt-get --yes --auto-remove --show-upgraded \ --allow-downgrades --allow-change-held-packages \ --no-install-recommends \ --option Dpkg::Options::="--force-confdef" \ --option DPkg::Options::="--force-confold" \ install postfix openmediavault
- omv-initsystemコマンドでシステムとデータベースを初期化します。
omv-initsystem
以上でArmbian Stretchにopenmediavaultがインストールされました。
次はopenmediavaultの初期設定を行いましょう。
ROCK64のArmbianの動作が不安定な場合
※19.3.30追記
ROCK64が数分~数十分おきに再起動して動作が不安定な場合、こちらの設定で改善する場合があるようです。
openmediavault 4初期設定
1.Webブラウザで管理画面にアクセス
- 一度再起動すると、コンソールにIPアドレスが表示されます。他のPCからWebブラウザでopenmediavaultの初期設定を行おうと思います。表示されたIPアドレスを入力するか、またはavahi-daemonのmDNS機能により、Windows 10 PCから<ホスト名>.localにてアクセスできる状態かと思います。
- Webブラウザでopenmediavaultの管理画面にアクセスします。
http://nanopim4.local
- ブラウザからopenmediavaultにログインします。ログイン名/パスワードはadmin/openmediavaultになります。
2.タイムゾーン設定
3.USB HDDの接続
ワイプ(消去)
- USB端子にHDDを取り付けます。
- 取付後「ディスク」メニューにて、/dev/sdaとして認識されるかと思います。
- /dev/sdaを選択(黄色表示にしてから)「ワイプ」をクリック、HDDを消去します。
- 「クイック」または「セキュア」を選択します。クイックの場合、すぐ終わる感じでした。
フォーマット
マウント
- フォーマット後、「ファイルシステム」メニューにて/dev/sda1を選択して「マウント」ボタンをクリックします。トータル容量や使用可能容量が表示されます。Debianのファイルシステム上では、次のようなマウントポイントになっているようです。ラベルそのものでは無いのですね。
4.ユーザ作成
- 「ユーザー」メニューをクリックすると、Armbianの初回ログイン時に作成したユーザが自動的に追加されています。NASとして使用する場合のユーザになりますが、Armbianで設定したパスワードは使用できませんでした。
- ユーザを選択後、「編集」ボタンをクリックして、改めてパスワードを設定します。
5.フォルダ共有設定
NASとして使用する場合のファイル共有サービスは、初期状態でFTP、NFS、Rsync、SMB/CIFS等を選択できるようです。プラグインにて他のサービスを追加可能のようです。
Windows PC等から使用を想定して、SMB/CIFSを設定してみました。
- 「SMB/CIFS」メニューをクリック。「有効」スイッチをオンにします。
- 続いて共有するフォルダを設定します。「共有」タブをクリックして、「追加」ボタンをクリックします。
- 「+」をクリックしてさらにサブメニューを
- 共有フォルダの名前を入力、デバイスとして先程作成したUSB HDDを選択します。
- 共有のオプションを確認しつつ、「保存」ボタンをクリックします。
- 変更を適用しますとWindows PC等からNASとしてアクセスできるようになりました。
6.IPアドレスの固定化
IPアドレスを固定設定する場合、ターミナルにログイン後、armbian-configから行えるようです。
armbian-config
Network→IP→Static→IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイアドレスを入力します。
以上で設定が完了しました。お疲れ様でした!
NanoPI M4のArmbian Stretchはaarch64版、64ビットのようです。
2GB/4GB以上の、サイズの大きいファイルも問題なく取り扱うことができます。
ファイル転送速度も110MB/sと、ギガビットEthernetの限界値に近い速度が出ているようです。
あとは問題は安定性ですが。
実際に使ってみながら、そのあたり様子を見させて頂こうと思います。